プログラムには計算に使う数字や文章の表示に使うテキストなとが登場します。
Pythonは、整数や小数、文字列など、さまざまな種類のデータを扱えます。これらの基本的なデータ型は最初から利用できるように用意されており、「組み込み型」と呼ばれます。
数値と文字列
pythonコンソールで組み込み型を打ちましょう。
1
0.3
"Hello"
'こんにちは'
整数値の計算
Pythonでは、算数と良く似た形式で四則演算を行えます。
演算 | 式 |
---|---|
足し算 | a + b |
引き算 | a – b |
かけ算 | a * b |
割り算 | a / b |
余り | a % b |
べき乗 | a ** b |
かけ算と割り算の記号が ✕
と ÷
ではありませんが、この書き方に慣れてください。
10 * 20
a % b
という式は、 a
を b
で割った余りを求めます。
5 % 3
10 % 2
負の値は、数字の前に -
(マイナス)記号を付けて記述します。
-100
浮動小数
これまでに出てきた数字は、すべて 1
, 2
, 3
, … のような整数ばかりでした。
整数ではなく、1.5
のような実数を使う時は、普通の数字とおなじように .
をつけて記述します。
Pythonは小数の扱いに浮動小数点を採用しています。浮動小数形式は2進数で小数を表します。そのため、表現できる小数の精度に限界があります。
0.1
Pythonでは、実数は 浮動小数点数(floating point number) という形式で、 float型 と呼ばれます。
小数点以下が 0
でも、.
がついていれば整数ではなく float型です。
100.0
整数とfloat型
整数の値と整数の値を演算すると、結果は整数になります。
10 + 20
整数とfloat型の値を演算すると、結果はfloat型になります。
10 + 20.0
割り算の結果は、整数同士の割り算でも、float型になります。
2 / 3
3 / 3
のように割り切れる場合でも、答えは整数の 1
ではなく、小数点以下が 0
のfloat型になります。
3 / 3
整数除算
/
記号ではなく、//
記号で除算すると、結果は小数点以下を切り捨てた整数値になります。//
を使った除算を、 整数除算 といいます。
例えば、 3 / 2
は 1.5
ですが、
3 / 2
整数除算(3 // 2
)では、小数点以下を切り捨てて 1
になります。
3 // 2
float型同士の整数除算でも、小数点以下は切り捨てになります。 通常の除算 3.0 / 2.0
は 1.5
になりますが、整数除算の場合は 1.0
になります。
3.0 // 2.0
演算子の優先順位
複数の演算子を利用した計算では、演算子の優先順位によって計算の順序が決まります。例えば「+」「-」よりも「*」「/」などの演算子は優先順位が高いため、先に計算されます。計算順序を変更するには、計算式の中で先に計算したい部分を「()」で囲みます。
(2+3) * 4
文字列
Pythonでは、文章や人名などの文字からなるデータを、文字列(string) といいます。文字列をソースコードに書く場合には、数値と違って、文字の前後を "
(ダブルクォテーション) か '
(シングルクォテーション) で囲んで記述します。"
でも '
でも、結果は一緒です。好きな方を使ってかまいません。
"123"
は数字ではありませんから、乗算などの、数値に用意された演算などは行なえません。"Hello" * "World"
の掛け算をしろ、と言われても困ってしまいます。ですから、文字列データ同士の乗算ができません。
データ型による演算子の意味の違い
整数値や小数では、「+」は見た目のとおり、値の足し算が行われます。Pythonでは、これらの演算子はデータ型によって処理が決められています。
"hello," + "world!"
"a" * 3
"Hello" * 2
真偽値
Pythonには、直接真偽値を表すデータとしてbool型が用意されています。真がTrue、偽がFalseです。その他の数値や文字列も其偽値を表すデータとして扱えます。数値は0がFalseと解釈され、それ以外はTrueと解釈されます。文字列は空文字「””」がFalseとなります。
どのような値が真偽値として解釈されるのかは、bool関数で確設できます。
bool(0)
bool(-1)
bool("")
bool("abc")
Python組み込み型まとめ
- 数値型(整数型、浮動小数型)
- bool型(True , False)
- シーケンス型(文字列、リスト、タプル)
- 集合型(set)
- マッピング型(dict)